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京都橘大学の金武 創氏による「埋蔵文化財保護行政の規範的検討」と題した研究発表が日本文化政策学会分科会3「文化政策と法・制度」というセッションで行われた。金武氏はこれまでも「文化財政策の財政問題:社会評価アプローチと公共選択アプローチ」(文化経済学第4巻第4号)、「文化遺産観光のストックとフロー 三内丸山遺跡を事例として」(京都橘大学研究紀要 第33号)など埋蔵文化財関連の論文を著しているそうだ(未読、勉強不足と反省)。行財政改革の流れのなかで遺跡発掘への市場原理導入が進められつつある中で、「第一に埋蔵文化財保護の社会的便益を真剣に吟味」(配布資料)すべきであり、「文化政策における消費者選択重視の視点に注目」(同)したいと説く。

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# by north-archaeo | 2007-12-04 19:49 | 考古学
昨日12月2日、東大本郷キャンパスで日本文化政策学会2日目プログラム「博物館法改正を考える」という公開ラウンドテーブルが開催された。法改正に関わる文科省の官僚や委員も出席し、改正の場でどんな議論がなされているのかも含めて語られ、とても有意義だった。このブログで紹介しようと思っていたが、速記録を公開された方がいるので、詳細はそちらを参照されたい。やくぺん先生のうわの空

学芸員養成課程、博物館実習、登録博物館の問題、国際水準へのキャッチアップ、学芸員の資質、地域社会と博物館の連携などなど多くの話題が出た。とてもとても2時間半で議論できるものではなかったが、興味深い議論となった。
学芸員資格は大学院で、という答申案については大学側の強力な圧力でどうやら撤回されそうで、学部の学芸員課程科目の増設という議論になっているそうだ。修士課程で学芸員資格をというのは、大学の経営を考えなければ、とても良い制度と思ったのだが、そういう方向には動きそうにないらしい。文化政策学会なので指定管理者制度と併せての議論になるのかと予想していたが、そうした議論にはならなかった。ボクが気にしている「学芸員の下流化」については金山先生が触れていた。指定管理者制度導入で低賃金・劣悪労働・将来保障なしという学芸員の下流化が進むのではないかと危惧している。若者は学芸員に希望を持てなくなる。
幸い、ねじれ国会のせいで他の重要法案も成立せず、緊急案件でない博物館法改正案はまだまだ先らしい。様々な議論が尽くされることが望まれるが、市民不在での改正に不安を述べていた先生がいたことがとても印象的だった。
# by north-archaeo | 2007-12-03 20:32 | 博物館
2007年12月1日、2日に東京大学本郷キャンパスで日本文化政策学会の研究大会が開催される。http://home.att.ne.jp/gold/katayama/cp/conference.html
今年の夏に設立されたばかりの学会である。考古学関係では1日午後も「埋蔵文化財保護行政の規範的検討」金武 創 (京都橘大学)という研究発表がある。博物館関係では2日午前中の公開ラウンドテーブル「博物館法改正を考える」というテーマで、東京大学の小林真理の司会で登録博物館制度と学芸員資格について議論されるようである。このラウンドテーブルは参加費無料で一般にも公開。
# by north-archaeo | 2007-11-21 14:12 | 大学教育
 毎日新聞の旧石器捏造のスクープ報道から今日で7年が経った。昨年は岩宿フォーラムに居たが、今年は静かないつもの月曜日だった。7年前のことを思い出す人も少なくなったのかもしれない。今朝、4年生とスクープ報道の話をした。彼らが中学3年生のことでテレビの特集番組を観たのをよく覚えている、という。それぞれの場所でそれぞれの記憶があることを学生たちと話した。毎年1年生の授業で捏造事件について詳しく話しているので、ボクと事件の関わりについてはよく理解してくれている。

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# by north-archaeo | 2007-11-05 18:47 | 旧石器
昨日は岩宿文化賞の授賞式と記念講演が岩宿博物館で行われたはずである。今年は岩宿に行けなかったのだが、長野の堤隆氏が受賞されたことは喜ばしいことだ。堤氏の受賞はこれまでの活動や研究から当然といえば当然。この受賞を喜ばない人はいないだろう。 お祝いに行けなくて残念だが、心からエールを送りたい。
# by north-archaeo | 2007-11-04 14:14 | 旧石器