忠類で実施されているナウマン象発掘地点の調査を見学してきた。出穂さんには無理を言って勝手な押しかけ見学者である私も一泊させてもらった。深く感謝したい。調査の目的、調査メンバーなどは八ヶ岳旧石器HPに掲載されいているので参照されたい。現代的な視点での、各層の確認、年代の再検討などが目的のようだった。
 調査初日の金曜日は夕方到着したのだが、あいにくの雨。しかし露頭断面は綺麗に重機で削られ、見事に地層が見えた。30数年前にナウマン象が見つかった泥炭層も見えた。
 夜は元京都大学の石田先生や元道教育大の木村先生、足寄の澤村館長の化石談義に加えていただいたり、奈良教育大の長友先生、広島大の奥村先生、古環境研の早田さん、上越教育大の山縣先生と同宿で、近況やら研究の話やら。奥村先生からハンディGPSも見せてもらってすっかり欲しくなってしまった。
 土曜日も一日調査の様子を見学。各分野の専門家がそれぞれにサンプリングしたり堆積層を見ながら議論したりで、それを見聞きするのがとても楽しかった。調査の最後まで居たかったが、私は土曜日の夕方に現場を離れ帰札した。大いに刺激を受けた調査だった。
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# by north-archaeo | 2007-10-28 23:14 | 旧石器
c0065797_10224228.jpg札幌市埋蔵文化財センターが調査中のK518遺跡の現地説明会があったので学生たちと行ってきた。300人近い見学者があったようで、人が切れることなしに入場していた。場所は札幌北高校内で、校舎北側のグランド。縄文、続縄文、擦文の各時期の遺物遺構がシルトの中で層位的に確認される札幌市北部の典型的な出方であるが、縄文中期包含層まで2mを超える。大変よく準備された現地説明会で解説ポイントには遺構や遺物などの写真解説パネルが置かれ、見学ツアーではセンター職員がていねいに解説してくれた。見学通路は撹乱の溝が埋められムシロが敷かれるなど周到に準備されていた。見学ツアーでは見学者から質問が相次ぎ、楽しい質疑応答が交わされていた。c0065797_1023499.jpg
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# by north-archaeo | 2007-09-30 10:31 | 考古学
c0065797_6445048.jpgスティーブン・オッペンハイマーの「Out of Eden: the peopling of the world」の翻訳が『人類の足跡 10万年全史』として草思社から出版された。DNA分析に基づく現生人類の移動に関して詳述されている。アジア・オーストラリアへの到達、モンゴロイド起源、中央アジアへの進出と最終氷期最寒冷期の東アジアへの移動など、考古学的、気候学的な知見も交えて描かれている。ミトコンドリア、Y染色体の両者の分析を駆使し人類の移動を矢印でルートとして示した多くの地図群は圧巻である。「イブのほんとうの娘たち」「アダムの息子たち」と題された巻末の全世界系統樹は、DNA分析の詳細さに驚かされる。DNA分析の成果は断片的にしか紹介されず、なかなか全体像が見えないでいたが本書はその全体像の提示を目的としている。個々の見解にすべて賛同できるわけではないが極めて刺激的で示唆に富んだ一冊と思う。
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# by north-archaeo | 2007-09-27 07:19 | 旧石器
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旭川科学館サイパルのモーションピクチャーを体験してきた。足、腰、肩、腕などに直径3cmほどの球を付けられる。これを6台のカメラで追って、体を動かすと画面の中ではアファール猿人やホモ・ハイデルベルゲンシスになれる。部屋の中を歩くと次々と人類種が変わり、体の大きさや姿勢、顔つきの違いが分かる。なかなか楽しかった。

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# by north-archaeo | 2007-09-16 12:00 | 旧石器
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 白滝で北海道埋蔵文化財センターが実施しているホロカ沢Ⅰ遺跡の調査を見学してきた。堆積状態が湧別川右岸の遺跡群とはかなり異なっている。左岸は山地が迫っているので違うのだろうか。調査を担当するS本さんが丁寧に説明してくれた。今年度の白滝調査は面積も広い上に堆積層が厚く(旧石器が出土している小谷の堆積層は1mを優に超えていた)かなり大変そうで、忙しいそうだったので本当に申し訳なかった。
 吉崎先生の発掘調査地点を含む場所を掘っているのかもしれないのだが、昔の発掘区はまだ見つかっていないそうだ。出土資料の内容もちょっと違っている。当時の調査地点の記載された資料がないので、この調査が頼りだ。期待したい。
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# by north-archaeo | 2007-09-11 23:45 | 旧石器
猿払村の浅茅野台地にある浅茅野遺跡にはじめて行ってきた。稚内~紋別に高校訪問の出張だったので途中立ち寄った。写真の道路が右へカーブしているが、このカーブ内側が遺跡の位置になる。写真右側の木が生えている部分は小河川で、左側に向かって流れている。左側に直線距離3キロほどでオホーツク海である。遺跡は浅茅野台地を流れるこの小河川に面しているようだ。ここでは大型石刃を素材とした峠下型細石刃核が見つかっている。牧草地で表採は出来なかった。
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# by north-archaeo | 2007-08-30 18:07 | 旧石器
町村史をいくつかコピーするために札幌市中央図書館に行った。お盆休みのためもあってかなり混んでいた。コピー機で町史をコピーし始めて両隣を見るとどちらもゼンリンの住宅地図をコピーしている。また別の村史を取りに参考室に行きまたコピー機に戻ると、別の人が住宅地図をコピーしている。ふと見るとコピー機のすぐ脇にゼンリン住宅地図の棚があった。コピーする人が多いのでどうやらこの場所に置かれたらしい。「住宅地図は一人1頁まで」なんて貼り紙があるけどみんなお構いなし。住宅地図をコピーして飛び込み営業で使うのかなぁ?不思議な光景でした。
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# by north-archaeo | 2007-08-14 15:57
ドナ・ハートとロバート・サスマンの「Man the hunted」の翻訳本「ヒトは食べられて進化した」(化学同人 2200円)が出版された。初期ヒト科が大型ネコ科動物やハイエナ、クマ、猛禽類に食べられており、人間の集団生活やコミュニケーション、心性などは被補食者であったことから進化したと説いている。

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# by north-archaeo | 2007-08-03 12:00 | 考古学
 昨日の記事に対してrene氏がmarginBlogで触れ、このブログにコメントも頂いた。どうやらボクの早合点らしくて、今のところ同一名称で別の資格ということらしい。
 埋蔵文化財の調査に関する資格が、現代の社会において必要であることは疑いない。どこがやるか、ではなく、どんな資格で、どうやって取れるようにするか、が重要であり、それが社会的に認知されることが必要である。検定試験で取得する場合と認定機構がカリキュラムやシラバスを審査して大学での単位取得で取得する場合という2つの経路があってもいいと思う。
 日本文化財保護協会の資格はすでに開始されたが、早稲田大学のものはこれからである。第3者である認定機構がカリキュラムを審査する方式ならば、全国の大学が参加することになるだろう。
 既に始まった調査士資格とこれから始まる調査士資格、一つに統合されていくことを切に望むものである。
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# by north-archaeo | 2007-08-01 14:22 | 考古学
 埋蔵文化財調査士を大学で取得できるようにするための準備が始まった。文部科学省の「社会人の学び直しニーズ対応教育推進プログラム」に、早稲田大学文学学術院の「埋蔵文化財調査士の養成および資格授与のための埋蔵文化財科学実践プログラム」が採択されたのである。

 早稲田大学では「埋蔵文化財調査士養成プログラム室」を設置し、3年間のプログラム実施期間中に社会人の資格取得のためのコース設計と、「埋蔵文化財調査士」資格を第三者的立場で認定する「埋蔵文化財調査士資格認定機構」を大学の外部に設立するとしている。また、大学の考古学専修・専攻の学生にも、学部・大学院のカリキュラム修了時に、資格条件が整うようにするという。社会人は3~6ヶ月で資格取得できるようにするらしい。

 資格名称が全く同一であるので、この早稲田大学のプログラムの「埋蔵文化財調査士」資格は日本文化財保護協会のものを指すのだと思われる(未確認)。日本文化財保護協会の埋蔵文化財調査士補の検定試験受験資格は①大卒で協会の認める関連分野を専攻し4年以上の発掘実務経験、②大卒で発掘実務経験5年以上、③8年以上の発掘実務経験であるし、埋蔵文化財調査士は調査士補の取得後に3年以上の発掘実務経験があり報告書3冊か論文2本以上というのが受験資格であるから、大学で取得すれば大幅に期間短縮できることになる。詳細は不明である。
 これで資格取得の流れは決定的になるだろう。「資格認定機構」にカリキュラムを提出して審査してもらい、学部課程、大学院課程で資格を取得できるようにする大学が続出するのではないだろうか。
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# by north-archaeo | 2007-07-31 17:37 | 考古学
先週S幌大学のK村先生の講演会があって拝聴してきた。ヒドイ風邪で咳き込んでいたので迷惑だったかもしれない。だから懇親会も失礼してしまった。「黒曜石と人類」と題する話で、聴衆を飽きさせない講演だった。そこで「白滝黒曜石遺跡ジオパーク構想」というのを知った。白滝黒曜石遺跡と周氷河レリックを核とする地域をジオパークとする構想で、ユネスコでこのジオパークというの認定しているらしい。K村先生の講演でこのジオパークについても解説してくれた。
なるほど地質学的なSITEと考古学的遺跡、歴史が結びついているという点から、ジオパークに最適だろう。まだ一般にはあまり知られていないようにも思う。これからの推移を見守りたい。
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# by north-archaeo | 2007-07-17 15:07 | 旧石器
小樽市総合博物館の開館式が本日午前中に行われ、参列してきた。第3セクターの運営する交通博物館だった館が、リニューアルされ小樽市博物館と統合されて総合博物館として生まれ変わった。敷地内には北海道発の鉄道であった幌内鉄道の車庫や転車台などが屋外に残され、歴史を感じさせる空間である。明治42年に製造された蒸気機関車が動態保存されていて、構内を実際に走る。鉄道・科学・歴史館は博物館本館としての役目も果たし、企画展示室・科学展示室・実験室・デジタルプラネタリウムがある。敷地の接するマックスバリューにも入り口を付けたら面白いのに、と思った。小樽運河沿いにあった旧博物館は小樽市総合博物館運河館という名称になってそのまま置かれる。卒業生がここのスタッフとして働いているので、今日は開館式に参加できて良かった。

写真はこちらへ
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# by north-archaeo | 2007-07-13 16:46 | 博物館
 昨日、H海道大学で「中国東北部における旧石器研究の新動向」と題して吉林大学の陳全家先生の講演が開催された。聴衆はH大関係者、学生のほか、道埋蔵文化財センター職員、道内埋蔵文化財関係者などが集まっていた。
 陳先生の講演は最近発見、調査された中国東北部の遺跡を、一遺跡づつ丁寧に、位置、立地、調査規模、出土点数、層位、出土層などパワーポイントで豊富な写真と共に説明された。細石刃インダストリーの遺跡として8遺跡、小型石器インダストリーの遺跡として3遺跡、大型石器インダストリーの遺跡として2遺跡(このうち時間の都合か下白龍遺跡については説明は省略された)が紹介された。これらは黒龍江省、吉林省に所在し、2000年以降に発見、調査されている。表採だけの遺跡もあれば、1500㎡の発掘が成された遺跡もあった。

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# by north-archaeo | 2007-06-22 13:14 | 旧石器
研究室のモノクロレーザープリンタが調子悪くなって紙が入らない。一日でもプリンターがないと授業が出来ない自分に気付く。いちいち職員に添付メールして授業資料を印刷してもらうわけにもいかない。2万円しないで買ったプリンタで保障期間を6ヵ月過ぎている。なんというタイミングで壊れるのだろう。保障期間が過ぎるのを待っていたようだ。修理を待つ時間的余裕はないので、早速近くの電器屋に行って、今度は別のメーカーで2万円ちょっとでコピーも出来るモノクロレーザーを購入した。電器屋では修理の取次ぎをするだけで2000円だという。更に修理代...。
嫌だと思っていも、浪費的になってしまう。まだまだ石刃の剥がせる大きな石核を遺して、次の場所へと移るのはこんな気持ちだったのかな? やっぱり修理に出そう!
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# by north-archaeo | 2007-06-20 17:44 | 大学教育
昨日の日本考古学協会では「日本旧石器時代文化のはじまりと特質」と題したテーマセッションが開催された。第1部は日本旧石器時代の起源。第2部は東アジアの旧石器時代と日本列島。第1部冒頭のI川日出志氏の問題提起は重いものだった。以下、発表要旨から引用しつつ紹介したい。

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# by north-archaeo | 2007-05-28 21:02 | 旧石器
今年の日本考古学協会がこの週末に明治大学で開かれる。なんと図書頒布が午後からだ!研究発表は午前からなので、こちらに人を誘導するという戦略らしい。果たしてどうなるか?
研究発表とは別に旧石器をテーマにしたセッションも9時半から17時まで開かれる。このセッションは12時から14時15分まで休憩なので、この時間に図書を買ってください、という意味なのだろう。どのように過ごすか、悩み多き協会である。
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# by north-archaeo | 2007-05-24 14:45 | 考古学
日本文化財保護協会の行う『埋蔵文化財調査士』の初の資格検定試験の日程が同協会のHPに掲載されていた。日本文化財保護協会HPはこちら
埋蔵文化財の発掘調査に携わる技術者育成のための資格制度というが、考古学会では前代未聞の試験である。資格の内容、受験資格、申込の方法など詳細は上記HPで5月25日告示予定とのことであるが、日本考古学協会の総会日程にぶつけてきた感がある(偶然だったら失礼)。
埋蔵文化財調査士の試験が9月22日(東京)で講習と面接とを同時実施という。埋蔵文化財調査士補の試験が9月1日(東京、大阪)で、講習は7月26日~29日の4日間。

日本文化財保護協会は発掘調査、報告書作成などを行う民間会社の業界団体である。文化庁や学会がいつまでたっても発掘調査に関わる資格認定をしないので、腰を上げたように思う。
大学で教務の仕事を担当して、つくづく世の中には多くの資格があることを実感した。発掘に関わる資格が無かったのが不思議なくらいである。25日に公表される詳細を待ちたい。
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# by north-archaeo | 2007-05-22 18:32 | 考古学
連休が終わり、道内地方出身の新入生は帰省してご馳走を食べて一息ついて帰ってきたようだ。札幌でも連休の最後に桜が咲き、市内のあちこちが淡い桜色に染まっている。なっている。まことに日本列島は南北に長い。今日、電話でA先生と旧石器から縄文草創期、早期への問題についておしゃべりしていて、完新世の温暖化、ヤンガードリアスの影響など本州と北海道の土器出現の様相の違いや石器の表現形の違いの話になった。A先生は相変わらず精力的で、資料見学に来道する予定という。
連休後半、卒業生と少し踏査をして、遺物を拾って歩いたが運動不足がたたり、ふくらはぎが筋肉痛だ。北海道(道央・道東)では5月の連休が一番踏査しやすい。ちょうどトラクターで畑をおこしているし、農作物を植える直前だから、畑にも自由に入れてもらえる。さあて新入生に注記でもしてもらおうか。
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# by north-archaeo | 2007-05-07 18:38 | 大学教育
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4月14日土曜日に、「吉崎昌一先生 お別れの会」が開かれた。道内だけでなく東京や仙台、関西から、200数十名の参加があり、たいへんな盛会となった。

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# by north-archaeo | 2007-04-16 19:21 | 考古学
新しい学科長の方針で学科教員全員が自分の授業の内容を公開するブログを書くことになった。今年度は2科目について毎週書き綴ることが義務付けられたのだ。3月にパソコン室でブログ書き方FDが2回開催され、年配の先生も含め、全員が書き込めるようにトレーニングした。さあてどうなることやら。でも1年続けば良い広報用アーカイブになるかな。
授業風景ブログはこちら
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# by north-archaeo | 2007-04-11 12:29 | 大学教育