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北海道新聞の12月20日~22日の夕刊で『再構築できるか日本の旧石器考古学』上~下という中尾吉清編集委員による連載特集が掲載された。

まず(上)は捏造か発覚から5年、石器を見る目養う教育を、と見出しがつけられ、書き出しは1961年の東大調査団のイスラエルの洞窟でのネアンデルタールの全身骨格発見についてである。海外に比べ日本では古い人骨は溶けてしまい旧石器時代の人類の存在は石器だけであり、だからこそ「石器を見る眼力が求められる」と始める。

そこで竹岡俊樹氏への取材。氏が学んだパリの大学院では「毎日が実習の連続。石器を一つずつ観察、議論しながらサイズ、剥離の仕方などを記号、数値でカードに記録する。それが石器の種類、型式を議論する客観的な基礎となる」とし、それに対して日本では「教授がこれは『石のナイフだ』と言ったら学生はみんな黙って聞いている。見た目の印象で論じるのは心霊写真を信じるのと同じ」と竹岡氏。日本の石器教育が悪いとしている。

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by north-archaeo | 2005-12-23 18:17 | 捏造事件
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c0065797_15312421.jpg帯広百年記念館埋蔵文化財センターに行ってきた。帯広市域で発掘調査で出土した遺物の整理作業、収蔵保管の一元的管理、資料の公開活用を目的として今秋に帯広百年記念館の分館としてこのセンターが設置された。帯広百年記念館に展示されいない考古資料は、ほとんどがここに収蔵されている。元独身寮だった建物を、展示スペース、収蔵庫、遺物整理室、書庫などに改装している。展示スペースは小さいが大正遺跡群の縄文早期~晩期の土器が並べられ、特に早期土器群は目を引く。

大正遺跡群は北海道で初めて縄文草創期の爪形紋土器がまとまって出土したことで有名であるが、石刃鏃石器群の資料も質・量ともに凄い。これまで帯広で石刃鏃が見つかっていなかったのが嘘のようだ。内陸部という立地も興味深い。早期暁式土器の編年を考えるうえで重要な資料もある。今年度報告に向け忙しい最中にお邪魔してしまったが、良い目の保養となった。

それにしても縄文早期段階の彫器の多出は、骨角加工の頻度が高いことを伺わせ、『縄文』化が列島一様でないことを改めて感じた。考古学的に帯広はいつも目が離せない地域だし、K沢・Y原両学芸員との議論はいつも楽しく有意義だ。
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by north-archaeo | 2005-12-10 09:16 | 考古学