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北大の教職員の出張はすべてJTBのシステム経由で計算支払いが行われることになるという。年間20億円を超える旅費がすべてJTBを経由する。JTB以外の旅行代理店でチケットを取っても、支払いはJTBから口座に振り込まれるという。
北大の方々、個人情報すべてJTBに握られて、大丈夫ですか?他の旅行代理店の方々、どの経路の旅行代金がいくらか、すべてJTBに把握されてしまいますね。

最近、北大が単独の大企業と提携するという新聞記事をしばしば目にする。いいのか?北大。大学広報も電通と提携し、広報をおまかせして、電通と人事交流までするという。独立行政法人とはこんなことするためのものなの?巨大大学と巨大企業が結びつき、他の企業を排していく。

反対の声を上がらないのも呆れる。新聞に批判的記事はなし。札幌にはすでに大学があふれて過当競争の状態なのに、「札幌市」は平気で今頃になって4年制の市立大学を設置する。その感覚を疑う。
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by north-archaeo | 2005-07-27 15:56 | 大学教育
諏訪哲二著『オレ様化する子どもたち』(中公新書ラクレ)を読んだ。教育論や格差社会論などがあちこちで議論される昨今。長く高校現場で子供たちを定点観測してきた諏訪の視線は鋭い。『学校・地域・家庭が変化したので子供が変わった』と捉える多くの教育論者とは異なり、1970年代から日本が近代後期ー消費社会へと変化し、子供がそれに適応もしくは脱出を計って変質したと説く。たしかに消費社会は子供にも容赦ない。子供用化粧品など子供をターゲットにした多くの商品群。それをあおるTVCM。物心ついたらすぐに子供は消費社会のなかで育つ。子供が変だとは最近の子供による凶悪犯罪が目立つようになり、ようやく子供が変わったことを皆が認めるようになったが、教育現場にいた諏訪は1980年代にはっきり認識したと言う。消費社会が子供たちを捉え、子供も主体者として扱ってきたことが子供を変化させた。消費社会においては幼少期から消費に組み込まれてしまっている。つまり子供の時から社会の主体者として扱われていることが従来の学校との不適応を起こし、子供をオレ様化する。学校という場では無償の労働奉仕を求められ、対価に見
合わない努力を強いられる。これに対する反発、不適応、逃避が始まった、というのが諏訪の見方だ。近代後期、消費社会への変化に応じたとする子供観は哲学者西研も同じ見解を示しており(苅谷剛彦・西研『考えあう技術』ちくま新書)興味深かった。
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by north-archaeo | 2005-07-21 12:44 | 大学教育
 指定管理者制度の博物館への導入について、このページで不安材料についてを中心に記してきた。しかし私自身は「革新と創造」を掲げる私立大学にいるので、すべてのことに工夫の連続で、公営施設のスピード感のなさやサービス意識の不足を実感することも多い。
 genjin氏からのコメントに答える意味でも、また指定管理者制度への否定的見解ばかりでは進歩がないので、民間活力の導入という点から思いついたことなどを書いておきたい。
 まず、博物館の開館時間である。なぜ5時に閉まるのか。来館者が来ないから閉めるのか、5時に閉めるから来ないのか。大半の銀行が3時に閉まるのを見ていて、経営者の感覚を疑っているのは私だけだろうか。都市部にある博物館・美術館はせめて7~8時までは開けていて欲しい。仕事の後でもちょっと寄ることが出来る、そんな美術館であって欲しい。勤務のシフト制を導入すればいいだけだろう。
 都市部の博物館・美術館なら結婚式やパーティ会場として貸し出すことも考えてほしい。美術館での夜のパーティなど、ホテルの味気ない宴会場よりずっと良いだろう。ファッションショーの会場に貸し出してもいい。
 指定管理者制度を導入するなら、一館や一町村だけの指定管理者でなく、複数館を管理するような会社を選定すると、さまざまなことが可能になる。例えば、一館の学芸員が練り上げて作った特別展を、離れたいくつかの館で巡回展示する。これはコストが下げられ集客は上がるだろう。また近隣のいくつかの館を管理するのであれば、学芸員を大規模館に集中させ、いくつもの特別展を企画させ、これらを連携した期間設定で展示し、巡回バスで繋ぐことも出来るだろう。旅行代理店と連携して複数館を見て回るパックツアーもつくれるだろう。
 温泉ホテルなどと組んだ企画も出来る。温泉につかるのに飽きた客にホテルから博物館へ行く巡回バスが出ていて、浴衣でもOKとすれば良い。もちろん5時閉館では出来ない。臨機応変に開館時間を変えなくてはならないだろう。
 集客する手段は民間ならいろいろと考えるだろう。今でもいくつかの館の連携は可能だろうが、行政体が異なると難しいのが現状ではないだろうか。こうした点を打破できる可能性を指定管理者制度は持っているのも確かであろう。
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by north-archaeo | 2005-07-04 19:42 | 大学教育
 そもそも博物館の運営は指定管理者制度に向いているのだろうか?長崎県立美術館では設置の始めから指定管理者制度による株式会社の運営である。その会社は博物館制作会社であり、これまで多くの博物館の計画設計施工に関わってきた。そこが運営も行うわけである。

 しかしそうした博物館と指定管理会社の蜜月状態は、どこの館でも可能なのだろうか?

 調査研究、そして学芸員という専門職の仕事内容からして、民間に何もかも運営させていいのだろうか。僕には理解できない。一日も早く、失敗して、この制度は博物館への適用には無理がある、という結論が出る日が来るのを待ちたい。
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by north-archaeo | 2005-07-02 18:42 | 大学教育
 木曜日の北海道博物館大会では指定管理者制度をめぐる講演とシンポジウムが開催された。道の指定管理者制度の推進担当者の講演で、この制度の目的や実施形態などが説明された。各種の公設の施設の運営を民間に委託するための制度であり、体育施設などはこの制度に適しているだろう。道立の博物館も指定管理者制度を導入することが説明され、その実施形態=学芸員のみ道職員、館長を含む他の職員は指定管理者となった会社(団体)が担う=についても話があった。すなわち道立博物館では学芸員だけが公務員で、館長などほかの部門はすべて民間の会社か団体が担うということだ。市町村立の博物館については、各自治体で決定するので、学芸員も含め、全面的に指定管理者に委託することもあり得るという。

 この話を聞いて、公立学校の校長に民間出身者を導入することにして、銀行の支店長だった人が校長になり、教員と教育委員会の板ばさみで、自殺したことを思い出した。学芸員と館長の間の対立や、無理解があると、こうした事態にならないとも限らないのではと心配になってしまった。学芸員教育を担う立場として、民間会社の館長との対立の問題、または民間会社所属の学芸員の立場の問題など、考え込んでしまった。学芸員として正しいと思うことを、会社員という立場で貫き通せるのだろうか?利益を追求する会社と、学芸員という立場は両立するのだろうか。倫理問題を含む新たな課題が浮かび上がってきそうだ。学芸員が孤立しないか、周囲から浮き上がらないか、これからますます難しくなるのではないだろうか。

 また指定管理者の選定について問題があるだろうと感じた。つまり誰が立候補した会社が博物館の指定管理者にふさわしいか、判断するのだろう。議会は適切な会社を選定できるのか、より低い価格で運営できる、と主張する会社を選んでしまわないだろうか。そしてそれは地域住民にとって良いことなのだろうか。第三者評価機関があれば、そこに適正な事業計画なのか、適正な管理経費なのか、判断させることもできよう。北海道博物館協会がそうした第三者評価機関になることは不可能なのかな、と以前から考えていた。指定管理者の選定にあたって、地域で有識者による選定委員会を設け選考するとか、道博物館協会に委託して業者の事業計画やその会社の適切性を評価するとか、何らかの方策は採れないのだろうか、と思った。

 もちろん民間活力導入や無駄な経費の削減は必要ではあるが、地域住民の生涯学習支援や、文化の保存・保護、調査研究といった利潤追求と相容れない博物館の目的は、株式会社が指定管理者となっても保障されるのだろうか。単なる展示施設に堕落してしまわないのだろうか。人さえ入場すればいいのだろうか。緊急に解決すべき問題がたくさん残されているように感じた。

 壮大な愚かな実験をしていることにならないと良いのだが。シンポジウムを聞いていて不安ばかりが増した。
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by north-archaeo | 2005-07-02 18:15 | 大学教育