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大学の学科のHPをブログで立ち上げた。今日はその使い方の講習会があった。
僕の研究室のページも出来たので、少し記事を書いておいた。

表ページとこちらの裏ページで書き分けてもいいかな。どうやって使おうかなあ。
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by north-archaeo | 2005-03-29 19:06 | 大学教育
南アフリカのブロンボス洞くつで発掘された、7万数千年前の新人の装飾品が、一日だけ東京科学博物館で特別公開される。装飾品としては最も古いものだろう。自分の身を飾る行為、または装飾品自体に何らかの記号的な意味があった可能性もある。象徴の理解と共有という高次の知的活動を推測させる遺物だ。是非下のページを見て欲しい。


http://www.kahaku.go.jp/news/ochre/index.html

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by north-archaeo | 2005-03-29 12:43 | 旧石器
本学の卒業生がD東のある町の博物館施設に就職した。町の出資する公社が運営する博物館である。財政規模にもよるが、こうした公社、財団運営の博物館は増えている。そこに指定管理者制度だ。

都市部の大きな博物館や、県立博物館など、学芸員が十名以上いるような「メガ博物館」は別格として、一人学芸員の小さな博物館はどうなっていくのだろうか?特色を出しても、交通の便が悪く、周辺人口が自体が少なく、観光ルートからちょっとずれていたりすると、入館者は伸びない。小学校~高校の総合学習の時間での利用など、学校と博物館の連携事業で子供の入館者増と地域学習の拠点となることを狙う館もある。

しかし、国は地方の文化行政、地方文化の育成、生涯学習などについて、どう考えているのだろうか?財政再建はもちろん重要な課題であるが、だからといって博物館の意義を軽んじて良いはずはない。

博物館と市民の結びつきが重要であろう。おらがマチの博物館として住民から大事にされ、住民が支えている、住民と博物館との交流が密にある、そんな博物館なら指定管理者制度が出てきても、どこかの会社に指定管理者になってもらうということに住民の反対が出るだろう。

博物館学芸員は館と人とを結びつける重要な役目を担っている。ただ館に閉じこもり研究しているような学芸員の多い博物館は、住民や議会の理解が得られず、指定管理者制度の波に飲み込まれてしまう。

博物館はどこへ行くのだろう。
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by north-archaeo | 2005-03-28 14:35 | 大学教育
先にこのブログでも触れた博物館におけるデジタルアーカイブだが、既に岐阜女子大で動いている。昨年文科省の現代GPにも採択されたプログラムである。デジタルアーキビストなる資格まで動き出している。今月シンポジウムも開催されている。近い将来、博物館、図書館、教育現場でデジタルアーキビストとは必要とされると考えられている。岐阜女子大ではそのための科目群も設定しているようだ。

http://d-archivist.npo-dac.jp/
http://www.jdaa.gr.jp/info/m050216.html
http://dac.gijodai.ac.jp/gp-da/info/20050306.htm
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by north-archaeo | 2005-03-26 11:29 | 大学教育
考古遺物の実測はなかなかに時間がかかる。特に石器は実測図が描けるようになるまでかなりのトレーニング期間を要する。これは図自体のとり方に習熟する必要があることと、石器の製作技術や剥離面の観察ができるようになるまでリングなどが描けないこと、この二つが理由だろう。埋蔵文化財センターなどでは一年中実測を専属でやる写図工さんがいる。一日1点の石器実測が出来れば、年間で一人200点以上は実測できるわけだ。こうした写図工さんが何人もいるのだから羨ましい。

大学で旧石器の報告書を出そうとすると、学生は実測が出来るようになるまで1~2年掛かってしまい、やっと実測が出来るようになった頃には卒業してしまう。また1日1枚ペースでは描けない。学生には他にもやるべきことが多いから。

石器実測で一番時間がかかるのは、外形線と稜線の実測だ。リングやフィッシャーはフリーハンドで描くのでそれほど時間を要しない。従来から写真をトレースするという写真実測の手法が利用されてきた。しかし撮影距離が近いと石器周縁部での誤差が大きくなるため、正確に実測するためには望遠レンズで距離を離して写真撮影しなければならない。

デジタルカメラで撮影すれば、パソコン画面でイラストレーターなどのソフトを用いてトレースできる。画面上で実物の数倍に拡大してトレースできるので、小さい石器なら従来の方法よりも精確かもしれない。マウスではうまくトレースできないが、パレットツールを使えば、操作性も問題ない。外形線、稜線をこうしてトレースし、あとは別レイヤーでリング、フィッシャーを描き込めばよい。線の太さを指定してやればいいから、ロットリングでのトレースも必要ないかもしれない。
プリンタで打ち出した実測図が出版に使えるレベルかは不明だが、試してみる価値はあるだろう。こうした実測を既に実践している自治体もあり、近く視察に行くつもりだ。

まあフルオートで実測できるわけではないから時間を短縮するだけだが、3次元デジタイザを用いても結局どこに線を引くかは実測者が判断しなくてはならないので、同じだろう。

さあて、学生さんたちは興味を持って取り組んでくれるかなあ。
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by north-archaeo | 2005-03-26 11:02 | 旧石器
本日はうちの大学のO―プンキャンパスでした。朝から大勢の高校生が来学し、キャンパス内施設見学ツアーや入試概要説明、体験授業への参加、教員や在学生との相談会などに参加しました。

高校生の真剣なまなざしに緊張すると共に、高校生らしいかわいい質問に微笑んでしまうこともしばしば。
昨年辺りから札幌圏の各大学もO-プンキャンパスが盛んになり、高校生はいくつかの大学を見て、志望校を決定するようです。うちの多くの学生がスタッフとしてこうしたOープンキャンパスにボランティアとして参加しています。大学博物館も春休み中は休館なのですが、今日だけは博物館研究会の学生のボランティアで開館し、高校生に展示品の解説を行ないました。

こうしたイベントのボランティアに多くの学生が協力してくれること、いつも有難く、誇りにも思っています。

次は5月下旬です。
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昨日はH海道博物館K会の理事会に出席していた。
話題の中心は「指定管理者制度」。昨年来、博物館系の雑誌でも話題であるし、私も何冊か本を買い込んで勉強したが、現場の悲鳴にも近い声を聞いて、深刻さに驚愕した。
日本の教育文化行政を破壊する悪法かも知れない。特に地方の財政規模の小さい自治体の博物館が直撃だ。つまりH海道などはどこもかしこもである。

この制度は、博物館の管理運営業務を「指定管理者」に全面的に委託できるという制度である。指定管理者には「株式会社」でも「NPO法人」でもなれる。その自治体の議会が管理者を指定するのである。博物館の建物、収蔵品は変わらずに自治体の所有物であるが、中身の学芸員、事務職員はすべて「会社員」でも構わないのである。株式会社とは株主の利益の為に、利潤を追求する組織体である。果たして、株式会社が学芸員の雇用者として適しているのか、博物館の運営者として適しているのか、誰が評価するのだろうか?

つまりどこかの会社が低額で博物館を運営できますと売り込んできたら、議会は財政赤字の低減の為に、その会社を「指定管理者」にして自治体からの支出を安く押さえることができる。その会社がどんな運営管理をするかは議会がOKなら良いわけで、だから低俗で、博物館とは言えないような低レベルの展示、教育、研究をしても、議会が良い、とするなら、構わない。

自治体直営の博物館が、指定管理者を入れ全スタッフを会社員とすることになった場合、それまで公務員として働いていた博物館学芸員は「会社員となっても学芸員としてその博物館に残る」か、「学芸員ではなく行政職員となって、役場の仕事に移り、公務員として残る」のか二者択一を迫られる。学芸員だけ公務員で、他の管理部門を株式会社とすることも可能であろうが、はたしてどう運営されていくのだろうか?

日本の博物館は、どうなっちゃうのでしょう?
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by north-archaeo | 2005-03-25 18:28 | 大学教育
E国のC大学で1年間、日本考古学の講義をしていたF先生が帰国した。母校での講義でチカラもはいったことだろう。研究環境の差はあまりにも歴然で、帰国してしばらくはあまりにも忙しくて、ただ呆然とするだろうなあ。4月からF先生のゼミも復活だ。

新年度の準備で、大学は忙しい。一年で一番忙しいかもしれない。この連休も結局、家で仕事だった。

C大学では1年は2ヶ月ごとに6期に区分され、授業が各期ごとに完結するそうだ。2ヶ月で集中的に授業をして試験もやってしまうのだそうだ。学生も教員も6期の中で長期の休みや調査出張を取るのだそうだ。日本でこうした6期制は聞いたことはないが、フィールド系の学問では学生と教員が調査で大学を離れることができて、たいへん都合よい制度だ。二ヶ月の授業、そしてすぐに試験だから、教育上も良い効果があるのかもしれない。

日本でも導入できないか、検討すべきかもしれない。
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by north-archaeo | 2005-03-22 18:30 | 大学教育
アメリカで水中考古学と石器の勉強をしている、対米5年目の日本人院生のブログです。
参考になることも多いのでは?やはりアメリカらしく大学で人類学の基礎をしっかりやるようですね。先史考古学ではやはり文化人類学、民族学の基礎知識、基礎的理論は必須です。
アメリカでは試験問題もユニークです。

http://plaza.rakuten.co.jp/archae/

なぜがこのアドレスにリンクをはるとうまくいかないので、コピペして飛んでみてください。
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by north-archaeo | 2005-03-19 18:26 | 考古学
研究者間の信頼関係
Z散乱木遺跡以前から、東北地方の旧石器研究者は相互に連携もあって親しかったようだ。Z遺跡以後も、前期中期旧石器遺跡の調査があると自身の仕事のない土日には現場に代わる代わるやってきて、手伝っていた。僕の参加していたB場壇A遺跡でも東北中の旧石器研究者が現場に泊まりでやってきた。話題の遺跡だったから、関東からも旧石器研究者はやってきていた。既に信頼関係で結ばれていた

近隣諸国との比較
B場壇で出土した石器についても議論はあったが、贋物かもしれないという議論はもちろん皆無だった。初めてその時期の石器を見るのだから、それがスタンダードになるという意識はあった。捏造発覚後、諸外国の例を知らないから捏造を見抜けなかったとよく言われたが、海外の研究者も、日本人で海外の旧石器を研究対象とする者も、地層の年代がハッキリしていて、日本の研究者が大真面目に発掘した石器を、否定したりはしなかった。それは第一には上述したような研究者間の信頼関係があったこと。第二にヨーロッパ、アフリカの石器に精通していても、それが汎世界的に共通であるとは考えていない研究者が多かったことだろう。つまりアジアにはアジアの前期旧石器があるので、直接的にヨーロッパの前期旧石器と比較出来るとは考えなかった。またアジアでも朝鮮半島は当時出土例が少なく、十分な比較対象にはならなかった。中国の泥河湾石器群とB場壇の石器群などを比較検討されたが、石器は似ていて、否定的な見解は出なかった。たまたま捏造石器が泥河湾の石器群の特徴と合致していたのか、藤村に中国旧石器の知識があって似た石器を埋めていたのか、いまだに不明である。

つづく
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by north-archaeo | 2005-03-19 16:12 | 捏造事件