カテゴリ:旧石器( 66 )

旧石器界の大物二人がブログを始めたのを知り、熟読してしまった。教えていただくまで知らなくて、失礼しました。遅ればせながら紹介したい。

長野県のT氏の八ヶ岳だよりは旧石器研究関連のニュースや自身の論文を題材に話題を提供している。掲示板からブログに変更したようだが、断然ブログが面白い。

神奈川県のS氏のブログ黒く光る石と黒く動く虫は旧石器研究ばかりでなく日常の文化財の仕事のことから趣味、家族まで多岐に及ぶ。

とにかく二人ともブログの更新のペースがすごい。とても真似できないが、このペースが保てれば人気ブログになるだろう。関東圏・中部圏の研究動向もリアルタイムに伺えて、目が離せないブログになりそうだ。
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by north-archaeo | 2009-04-03 16:42 | 旧石器
浅茅野遺跡の地主である佐藤氏から私家版の冊子を送っていただいた。1967,68年の2回の発掘の経緯や当時の発掘の様子が記され、発掘現場の写真、出土石器の写真なども掲載されていて、興味深い。黒曜石製峠下型細石刃核、エンドスクレイパー、石刃などの写真が掲載されいている。遺跡現地にはご自身が最近銘碑を設置されたようだ。写真を見る限りでは、発掘区を拡張すればまだ石器の出る地点がありそうに思われた。
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by north-archaeo | 2008-11-13 08:55 | 旧石器
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久しぶりに北十勝の糠平湖を訪れた。湖の水位はやや下がっていてタウシュベツ橋がよく見えた。湖面には霧がかかっていた。今年の紅葉は色づきが今一つだが、糠平温泉街の紅葉は色が鮮やかだった。橋の向こうあたりがタウシュベツ川南遺跡にあたる。
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by north-archaeo | 2008-10-10 17:43 | 旧石器
西東京市にある下野谷遺跡第18次調査の報告書を東京都埋蔵文化財センターから送っていただいた。いつもセンターから報告書を送っていただき感謝している。旧石器が出ていたのでパラパラと読んでみたがどうもおかしい。
本文(25ページ)では、7つの文化層に分かれるとあり、第1~4文化層は「1枚ないしは2枚の文化層に収斂する可能性がある」とされている。どう収斂されるか文化層分けの基準について記載はない。個別のユニットの記載を読むと「Ⅳ層上部に相当する」などと書かれている。
第1文化層(第Ⅳ①層)  5号ユニット・12号ユニット
第2文化層(第Ⅳ①層~第Ⅳ②層)  1号ユニット・14号ユニット
第3文化層(第Ⅳ②層上半部) 2号ユニット・4号ユニット
第4文化層(第Ⅳ②層下半部) 3号ユニット・10号ユニット
第5文化層(第Ⅴ層~第Ⅵ層) 13号ユニット
第6文化層(第Ⅵ層下部=漸移層相当) 6号ユニット・7号ユニット・11号ユニット
第7文化層(第Ⅸ層)8号ユニット・9号ユニット

ところが、第8図~11図(1/250)には以下のように層位別ドットマップが示されユニットが分けられている。
ユニット分布図(Ⅳ層)(第8図)には1号・2号・5号・12号ユニット
ユニット分布図(Ⅳ~Ⅴ層)(第9図)には3号・4号・6号・10号・14号ユニット
ユニット分布図(Ⅵ層)(第10図)には7号・8号・9号ユニット
ユニット分布図(Ⅶ層)(第11図)には11号・13号ユニット

つまりⅣ層とされた第8図には第1文化層全部と第2文化層のうち1ユニットそして第3文化層から1ユニットが載っている。Ⅳ~Ⅴ層とされた第9図には第2文化層から1ユニット、第3文化層から1ユニット、第4文化層全部、第6文化層から1ユニットが選ばれている。Ⅵ層とされた第10図には第6文化層から1ユニット、第7文化層が全部(えっ?第7文化層はⅨ層では???)。Ⅶ層とされた第11図には第6文化層から1ユニットと第5文化層の1ユニットが選ばれている。

この時点で何が何だか分からなくなってきたが、層が薄くて文化層分けの難しいⅣ層を除いて、Ⅴ層以下出土のユニットについて26ページ以降の各ユニットの垂直分布と層位の図(1/40)を見てみると、6号ユニットは礫9点石器1点でⅥ層下部に貼りつくように出土しているのにⅣ~Ⅴ層分布図に載っている。8号ユニットは礫群でⅨ層中位なのになぜか分布図ではⅦ層に。9号ユニットはⅦ層下面に貼りつくように出土しているのに何故かⅥ層分布図に。11号ユニットはⅦ層分布図に載っているが、礫群がありⅥ層のど真ん中にしか見えない。13号ユニットはⅤ層出土と判読できるが何故かⅦ層分布図に載っている。
もう何が何だか分からないのだ。

ユニット別の記載を読むと上でユニット別分布図から判読したのと概ね同じように書いてある。つまり第8図~11図はどうも文化層が混乱したまま制作し掲載してしまったようである。ちょっと考えられないミスである。誰も気付かなかったのだろうか?どんな整理作業だったのか、ちょっと考えてしまった報告書だった。
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by north-archaeo | 2007-12-10 20:18 | 旧石器
かながわ考古財団が今年調査した津久井城跡(第12回石器文化研究交流会 発表要旨 7~10ページ)の旧石器資料を野庭整理室で見学した。津久井城跡(相模原市)は神奈川の県北にあり、相模川と支流の串川に挟まれた城山の東端に位置する。山梨にも多摩丘陵にも近い。串川は山梨へと抜けるルートになるようだ。B1~B4の資料が出土しているのだが、B4の石斧関連資料が面白かった。

台形様石器は黒曜石製、凝灰岩製のものがあり、局部磨製石斧が何本も出ている。素材縁辺を残置して両側縁を成型した小型のへら状石器もある(第4図下段左端、とても薄いので精製の台形様石器ではないか。もう1点ペン先状を呈するものがある。どちらも安山岩製)。ナイフ形石器もある(報告者の畠中氏はB3相当ではないかと)。整理作業が始まったばかりでB3,B4の資料区分はこれからのようだった。凝灰岩の打面転移剥片剥離、剥片素材石核などが主体である。武蔵野台地の遺跡でよく見かける黒色粘板岩(頁岩?)製の剥片類もあり、水晶製石器もある。石材論からも面白そうだ。

B4相当で石斧素材と思われるが資料が出土している。石斧素材を取ったと思われる30cmを超える凝灰岩製石核がある。またホルンフェルス製の大形礫を3分割して板状の素材にし、たぶん石斧を製作しようとしたのだろう、一辺の両面で扇形剥片を遺跡内で取っている(チョッピング・トゥールとしか言いようが無いが)。同様の板状凝灰岩素材は、部厚すぎたのか、途中で製作を止めている。製作を続ければ、かなり大形の石斧ができただろう。完成品の石斧には大形品はない。非常に薄手の石斧が主で、厚手のものはリダクションがかなり進行した状態(上記文献第4図下段左から2点目)である。

凝灰岩製の剥片も大量に製作されており、石斧資料もやや軟質の凝灰岩であり、接合資料も多そうで整理はなかなかたいへんだろう。完成品の石斧と未成品や石斧製作剥片がどんな分布をしているのか、興味深い。整理作業の進展が楽しみであり、神奈川県内では最も良好な石斧資料であることは間違いない。最後になるが、担当の畠中さん、本当にありがとうございました。すごくいい資料です、整理作業頑張ってください!
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by north-archaeo | 2007-12-05 13:10 | 旧石器
 毎日新聞の旧石器捏造のスクープ報道から今日で7年が経った。昨年は岩宿フォーラムに居たが、今年は静かないつもの月曜日だった。7年前のことを思い出す人も少なくなったのかもしれない。今朝、4年生とスクープ報道の話をした。彼らが中学3年生のことでテレビの特集番組を観たのをよく覚えている、という。それぞれの場所でそれぞれの記憶があることを学生たちと話した。毎年1年生の授業で捏造事件について詳しく話しているので、ボクと事件の関わりについてはよく理解してくれている。

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by north-archaeo | 2007-11-05 18:47 | 旧石器
昨日は岩宿文化賞の授賞式と記念講演が岩宿博物館で行われたはずである。今年は岩宿に行けなかったのだが、長野の堤隆氏が受賞されたことは喜ばしいことだ。堤氏の受賞はこれまでの活動や研究から当然といえば当然。この受賞を喜ばない人はいないだろう。 お祝いに行けなくて残念だが、心からエールを送りたい。
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by north-archaeo | 2007-11-04 14:14 | 旧石器
 忠類で実施されているナウマン象発掘地点の調査を見学してきた。出穂さんには無理を言って勝手な押しかけ見学者である私も一泊させてもらった。深く感謝したい。調査の目的、調査メンバーなどは八ヶ岳旧石器HPに掲載されいているので参照されたい。現代的な視点での、各層の確認、年代の再検討などが目的のようだった。
 調査初日の金曜日は夕方到着したのだが、あいにくの雨。しかし露頭断面は綺麗に重機で削られ、見事に地層が見えた。30数年前にナウマン象が見つかった泥炭層も見えた。
 夜は元京都大学の石田先生や元道教育大の木村先生、足寄の澤村館長の化石談義に加えていただいたり、奈良教育大の長友先生、広島大の奥村先生、古環境研の早田さん、上越教育大の山縣先生と同宿で、近況やら研究の話やら。奥村先生からハンディGPSも見せてもらってすっかり欲しくなってしまった。
 土曜日も一日調査の様子を見学。各分野の専門家がそれぞれにサンプリングしたり堆積層を見ながら議論したりで、それを見聞きするのがとても楽しかった。調査の最後まで居たかったが、私は土曜日の夕方に現場を離れ帰札した。大いに刺激を受けた調査だった。
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by north-archaeo | 2007-10-28 23:14 | 旧石器
c0065797_6445048.jpgスティーブン・オッペンハイマーの「Out of Eden: the peopling of the world」の翻訳が『人類の足跡 10万年全史』として草思社から出版された。DNA分析に基づく現生人類の移動に関して詳述されている。アジア・オーストラリアへの到達、モンゴロイド起源、中央アジアへの進出と最終氷期最寒冷期の東アジアへの移動など、考古学的、気候学的な知見も交えて描かれている。ミトコンドリア、Y染色体の両者の分析を駆使し人類の移動を矢印でルートとして示した多くの地図群は圧巻である。「イブのほんとうの娘たち」「アダムの息子たち」と題された巻末の全世界系統樹は、DNA分析の詳細さに驚かされる。DNA分析の成果は断片的にしか紹介されず、なかなか全体像が見えないでいたが本書はその全体像の提示を目的としている。個々の見解にすべて賛同できるわけではないが極めて刺激的で示唆に富んだ一冊と思う。
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by north-archaeo | 2007-09-27 07:19 | 旧石器
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旭川科学館サイパルのモーションピクチャーを体験してきた。足、腰、肩、腕などに直径3cmほどの球を付けられる。これを6台のカメラで追って、体を動かすと画面の中ではアファール猿人やホモ・ハイデルベルゲンシスになれる。部屋の中を歩くと次々と人類種が変わり、体の大きさや姿勢、顔つきの違いが分かる。なかなか楽しかった。

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by north-archaeo | 2007-09-16 12:00 | 旧石器