考古調査士資格

 以前紹介した早稲田大学の考古調査士資格の詳細HPが開設された。埋蔵文化財調査士との名称の重複をなくすためか、こちらは『考古調査士』。上級、1級、2級の3つの資格となっている。早稲田大学では2008年度から開始するようだが、他の大学も第三者資格審査・授与機関である「考古調査士資格認定機構」に申請し、審査を受けて認められれば参加でき、学生は資格を授与される。
 この考古調査士資格認定機構は運営委員会、資格審査専門委員会、倫理委員会から成っている。この認定機構、錚々たるメンバーが委員になっている。運営委員会は岩崎卓也(機構長、元筑波大学)、小林達雄(國學院大學)、田村晃一(青山学院大名誉教授)、西谷正(九州大学名誉教授)、藤本強(東京大学名誉教授)、町田章(前奈文研所長)で構成され、資格審査専門委員は佐藤宏之(東京大学)、設楽博己(駒澤大学)、須田勉(国士舘大学)、福永伸哉(大阪大学)が就いている(敬称略)。



 学生課程と社会人課程があり、学生課程では上級考古調査士は取得できない。学生課程において、2級は学部で考古学関連の科目10単位で認定され、1級は2級を取得後、大学院で考古学関連の科目8単位取得で認定される。
 社会人課程において、2級は①埋蔵文化財調査の実務経験者もしくは②埋蔵文化財に強く関心を持つ者が対象で、2年間の実務経験があれば8単位修得で資格が与えられる。同じく社会人課程で1級は①埋蔵文化財調査の担当経験者もしくは②2級と同等の能力を持ち2年以上の実務経験者もしくは③2級取得後2年以上の実務経験者が対象で、大学院で6単位取得で与えられる。
上級考古調査士は①1級と同等の能力を持ち10年以上の実務経験者もしくは②1級の有資格者で取得後に2年以上1級相当の実務経験を有する者が対象で、やはり大学院で2~4単位取得する必要がある。
 このプログラムは「社会人の学び直しニーズ対応教育推進プログラム」に選定された文部科学省の委託事業である。当面は文部科学省から資金が出る。文科省の資金打ち切り後の資格認定機構の運営など、今後の計画も注視する必要があるが、大学、大学院で埋蔵文化財調査の資格を取れるという点で日本文化財保護協会の資格とは大きく異なっている。既に埋蔵文化財の現場で働く者も社会人課程で資格を取れる。さらに2級については「埋蔵文化財に強く関心を持つ者」を対象に加えているため、一般社会人にも門戸を広げた資格となっている。埋蔵文化財に対する意識を持った人が、社会に一人でも増えることは文化財保護にとって喜ばしいこと思う。学芸員のように年間1万人の取得者とはならないだろうが、よき理解者の増加に寄与するのではないか。
 出来るならば、埋蔵文化財調査士と考古調査士の資格は将来的には一本化して欲しいものだ。相次いで資格が創設され、しばらく混乱はあるだろうが、考古学の資格化は当然の流れだろう。長い目で考えていきたいと思う。
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by north-archaeo | 2008-03-26 15:42 | 考古学