『人類の足跡 10万年全史』

c0065797_6445048.jpgスティーブン・オッペンハイマーの「Out of Eden: the peopling of the world」の翻訳が『人類の足跡 10万年全史』として草思社から出版された。DNA分析に基づく現生人類の移動に関して詳述されている。アジア・オーストラリアへの到達、モンゴロイド起源、中央アジアへの進出と最終氷期最寒冷期の東アジアへの移動など、考古学的、気候学的な知見も交えて描かれている。ミトコンドリア、Y染色体の両者の分析を駆使し人類の移動を矢印でルートとして示した多くの地図群は圧巻である。「イブのほんとうの娘たち」「アダムの息子たち」と題された巻末の全世界系統樹は、DNA分析の詳細さに驚かされる。DNA分析の成果は断片的にしか紹介されず、なかなか全体像が見えないでいたが本書はその全体像の提示を目的としている。個々の見解にすべて賛同できるわけではないが極めて刺激的で示唆に富んだ一冊と思う。
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by north-archaeo | 2007-09-27 07:19 | 旧石器