中国東北地区の旧石器

 昨日、H海道大学で「中国東北部における旧石器研究の新動向」と題して吉林大学の陳全家先生の講演が開催された。聴衆はH大関係者、学生のほか、道埋蔵文化財センター職員、道内埋蔵文化財関係者などが集まっていた。
 陳先生の講演は最近発見、調査された中国東北部の遺跡を、一遺跡づつ丁寧に、位置、立地、調査規模、出土点数、層位、出土層などパワーポイントで豊富な写真と共に説明された。細石刃インダストリーの遺跡として8遺跡、小型石器インダストリーの遺跡として3遺跡、大型石器インダストリーの遺跡として2遺跡(このうち時間の都合か下白龍遺跡については説明は省略された)が紹介された。これらは黒龍江省、吉林省に所在し、2000年以降に発見、調査されている。表採だけの遺跡もあれば、1500㎡の発掘が成された遺跡もあった。




 北朝鮮に近い吉林省東部の遺跡は黒曜石製の石器が圧倒的であった。原産地は白頭山と考えられているが詳細な原産地調査、遺跡近傍の河川での原石調査は未実施という。
 各インダストリーの時期差についてどう考えているか?と質問したが、各インダストリーを時期差とは捉えていない、という回答だった。年代測定の実施数が少ないこともあって、慎重だったのか、編年観への考え方が異なるのか、分からなかった。数十センチ以上の層厚から出土している神泉遺跡についても文化層が分けられるのか?と質問したが、黒龍江省の調査だから、と明言されなかった。
 細石刃インダストリーと紹介された神泉遺跡では細石刃核があり、チョッパーもあった。立新遺跡は確かに大型石器が多く、大型石器インダストリーと紹介されたが、細石刃も柳葉形尖頭器破片も出土していた。どのように考えているのか、もう少し質問したかったが時間切れで残念だった。
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by north-archaeo | 2007-06-22 13:14 | 旧石器