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旧石器捏造報道から5年

M日新聞が前期旧石器2遺跡のねつ造を報道してから今日で5年が経った。ねつ造は数遺跡で直近の数年間という楽観論もあった。M城県教委やS台市教委、T北大学埋蔵文化財調査室の自分達の調査ではねつ造はない、とした記者発表や報告書はそうした楽観論をよく示している。当時「お前の調査はやられちゃったよな」という事をよく言われた。他はセーフという雰囲気があった。しかし福島県山形県での検証発掘では楽観論は吹き飛んだ。日本考古学協会の特別委員会や各遺跡の検証委員会での石器観察でもねつ造の証拠が次々と見つかった。
あれから5年経った。この一連の事件を通じて変わらぬ友情を確認することも出来たし、人の変節を間近に見ることにもなった。高名な研究者の無惨な変節は見苦しいばかりだった。この人がこんなことを言うのか!ということが相次いだ。自分自身の甘さ、至らなさは充分反省している。最古を追い求めた日々は、空しいものとなったがこれは仕方ないことだ。遺跡発見時には絶賛していた人の変わり身の速さには、驚かされた。自分はマスコミへの対応と検証に追われた日々で毎日夢中で一日一日を過ごしたことを思い出す。
旧石器研究はあの事件を経過して変わったのだろうか。この5年を振り返り、旧石器研究のあり方を私なりに振り返ってみたいと思う。
by north-archaeo | 2005-11-05 23:49 | 捏造事件