再び炭素年代

北海道の後期旧石器前半期は恵庭a火山灰の下位で出土する石器群とされてきた。恵庭a火山灰より上位で細石刃石器群が出て、下位では不定形剥片石器群が出土していたからだ。しかし千歳市柏台Ⅰ遺跡では恵庭aの下位で細石刃石器群が確認され、編年も見直された。恵庭aの年代は18000~20000年とされる。柏台Ⅰの石器群には炉跡が検出され、炭素年代が測られた。結果はもちろん2万年より古く、国内最古の細石刃石器群であることが確認された。当時大陸と地続きだった北海道には細石刃がいち早く入ってきたのだ。ナイフ形石器が主体の本州島とは大きな違いがあった。さて柏台Ⅰで確認された蘭越型の細石刃核はかなり完成された細石刃剥離技術で粗雑な印象はない。一方、道内最古とされる不定形剥片石器群の炭素年代は先にも書いたように二万五千年を越えない。わずか数千年で粗雑な不定形剥片石器群から細石刃石器群へと一気に変わったのだろうか?本州の石器群の年代観からは三万年近い年代が当然と思われる白滝Ⅰ石器群、帯広市若葉の森石器群、千歳市祝梅三角山石器群、いずれも二万五千年を越えないのは何故か。石器群対比に問題があ
るのか。炭素年代に問題があるのか。北海道だけに古いタイプの石器群が残存していて、急速に石刃石器群、細石刃石器群へと変遷したというのか。北海道の三万年の年代を持つ石器群はどんなものなのか。考えるべきことは尽きない。
[PR]
by north-archaeo | 2005-06-07 09:55 | 旧石器