『北の黒曜石の道』

S幌大学のK村先生の書いた『北の黒曜石の道』は新泉社の「遺跡を学ぶ」シリーズの1冊である。一般向けに書かれているが、内容は示唆に富み面白かった。白滝でT間地点の発掘を継続しているK村先生ならではだ。1995年の論文「黒曜石・ヒト・技術」をベースにして白滝の黒曜石原産地近傍での人間集団の場の機能について説明し、山頂部の採石場である切り出し基地、山腹の第一次加工場所と中継地、湧別川流域の高台のムラという自説を分かりやすく展開している。A屋型彫器の頁岩嗜好性と流通ネットワークについても数値を挙げて説明していて興味深い。
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原産地地帯の遺跡群の構造や北海道全域の石材交換ネットワークについて学生には多くの示唆と刺激を受ける一冊だろう。


出土黒曜石については蛍光X線分析などで、出土石器のいくつかを分析し産地同定してきた。しかし静岡のM氏の精力的な研究で、本州では出土石器全点の産地分析を行い、大きな成果をあげている。僕もこの出土黒曜石全点産地分析をある遺跡で試してみようかなあ、と考え、今、分析屋さんと打ち合わせしている。この方法はこれからの黒曜石原産地分析の主流になると思われるやり方で、注目されている。http://www.paleolabo.jp/sannchi.html
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by north-archaeo | 2005-03-12 19:12 | 旧石器